INTRODUCING
HACCI MORIHATA

The images I found.

そのとき私は、自分が目にしたものとは違う何かが、今撮ったばかりの写真に写っている、ということに気がついた。刻々と流れる時の中で、私は目の前の世界をありのままに見ている気でいたのだが、実際は多くの真実と呼べるものを見逃していたのだとわかった。それは例えば、色の組み合わせであったり、光と陰の構成であったり、人々の示し合わせたような歩調、メッセージを運ぶ生き物の動きなど。その発見は日を追うごとに確かなものになっていった。
カメラを手に路上を歩くとあれほど心が踊るのは、そういった見逃していた真実、日常の中にある奇跡と呼ぶべき世界を、レンズを通して捉え直す行為だからだ。
私自身は能力の限られた小さな存在だけれど、カメラというツールが捉える景色は、きっと何か大きなギフトを人々にもたらす可能性があると感じている。私はカメラを持ってその場に足を運び、シャッターを切るだけでいい。それが私の使命だと思う。